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歯科医院が利用できる「助成金」とは?返済不要?助成金を受給するためのポイントと実例をご紹介

歯科医院が利用できる「助成金」とは?返済不要?助成金を受給するためのポイントと実例をご紹介

歯科医院経営には、チェアや滅菌機といった医療器具など、設備投資に多額の資金が必要です。また、歯科材やDHをはじめとしたスタッフの採用・人件費など「コスト」の問題は常について回り、資金繰りに悩まれる院長先生も多くいらっしゃると思います。

そこで、返済不要の助成金を歯科医院が活用することで、人材採用や設備投資を効果的に進めることができる方法をご紹介いたします。主要な助成金の種類や制度の概要、申請方法から受給までの流れを知っていただくことで、今後の歯科経営にお役立てをいただけましたら幸いです。

1.  歯科医院が利用できる助成金制度とは?

歯科医院が利用できる助成金制度とは?

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、大企業・中小企業を問わず、「雇用調整助成金」が注目を集め、「助成金」という制度が広く認知されて活用される場面が増えました。

ここではまず、助成金に関する基本的な情報から歯科医院で実際に助成金を活用した実例をご紹介いたしますので、歯科医院における助成金活用の概要をイメージしていただければと思います。

1-1. 助成金は、返済不要のお金

「助成金」の大きな特徴は、返さなくて良い「お金」であることです。

受給するためには、一定の条件や細かなルールはありますが、個人・法人問わず歯科医院も受給できます。申請が難しいのがネックなのですが、助成金を専門分野とする「社会保険労務士」に相談し外注することができるため、院長自ら煩わしい事務作業や書類申請を行う必要はありません。

1-2. 助成金は、「医院収益」アップと同じ価値がある

支給された助成金は医院収入(売上)ではなく、「雑収入=医院収益・利益」として計上されます。つまり、助成金を受給できた場合、「医院収益」「利益」が増加することと同じ価値があるという考え方をすることもできるのです。

一方で、助成金には以下のように2つのタイプがあるため、受給する助成金によっては、医院収益が増加した、とは捉えにくいケースがありますので、その点だけご注意ください。

  • あるものを購入(設備投資)した際の購入費用を援助してくれるタイプの助成金
  • 仕組みを導入~運用する際、または運用したのでその制度に対し支給してくれるタイプの助成金

分かりやすいよう、歯科医院で受給された実例を通して解説させていただきます。

2.  歯科医院で受給できた助成金の実例

歯科医院で受給できた助成金の実例

歯科医院で受給できる助成金とは、「安く何かを購入するための助成金」「医院の利益となる助成金」の2パターンがあると考えていただいてよいかと思います。実例を通してご紹介させていただきます。

2-1. 実例1 設備投資に対する助成金

ある機材を購入するため、機材代を国が援助してくれるという助成金です。

例えば、100万円の機器を購入する。その購入代金の1/2を助成する制度があります。これを活用できれば、100万円掛かる設備投資費用が半分の50万円で購入できるため、助成金を活用せず医院独自に購入をした場合に比べ、「割安に」最新の機器を導入することができます。

古い機器を更新する場合や追加で購入する場合も対象となるケースも多数あります。

ハンドピースも例外ではありません。

実際に、助成金を効果的に活用している歯科医院では、これらの設備投資・機器導入を積極的に行われています。

2-2. 実例2 人材採用時に活用できる助成金

スタッフを採用する際に活用できる助成金もあります。

事前に労務に関する書面化は必要ですが、人材を採用する際に「ある一定のルール」に基づき採用すると、1人あたり57万円の助成金を獲得できます。

この制度を導入し、仮に3名の人材を採用すると、3名x57万円=171万円もの金額を国から「受給」することができます。

歯科スタッフの採用経費は、一般的に歯科衛生士なら「30~60万円/人」、Drなら「100万円以上/人」と言われていますので、助成金が活用できれば、人材紹介会社(エージェント)や求人媒体掲載で発生していた採用経費を大幅に抑えることができます。

これらの採用経費を助成してくれるものが助成金であると考えると、歯科医院にとっては非常に有り難い、助かる資金となるのではないでしょうか。

また、ここで述べた助成金は「採用経費に対する助成」ではありませんので、もしこれらの採用経費を0円となる形で人材を採用できた場合(例えば、スタッフからの紹介や自院のホームページから応募のケースなど)、受給できる助成金は、そのまま満額が医院の「利益」となります。3名採用の場合であれば、「170万円の利益」を獲得できることになるのです。

3.  歯科医院が助成金を受給するのは難しい?

歯科医院が助成金を受給するのは難しい?

歯科医院が助成金を活用できたらメリットが大きいことは分かったけれど、実際に助成金を受給することはハードルが高いのではないか?申請方法が難しいのではないか?と思われる院長先生もいらっしゃると思います。

当然、誰でも無条件に受給できるわけではないため、一定の条件やルールがありますが、実はそれほど複雑ではなく、受給方法も手間を省いて行うことも可能です。

3-1. 助成金を受給できる条件

歯科医院、医科クリニック、病院、介護施設、一般事業会社など、業種業態に関係なく、助成金を受給することができる事業主は共通要件として以下のように定められています。

【支給申請できる事業主の共通要件】

  1. 雇用保険適用事業所の事業主であること(雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること)
  2. 支給のための審査に協力すること
  3.  申請期間内に申請を行うこと
  4. 過去に医院側の都合による「解雇」をしていないこと(諸条件あり)

引用元:厚生労働省発行「各雇用関係助成金に共通の要件等」

医院都合による「解雇」をしていないことが助成金支給の絶対条件となるため、この点はまずご確認が必要となるでしょう。(解雇という形を取っていても諸条件によって可否があるため、詳細は専門家にご相談されることをお勧めいたします)

また、申請する助成金によって、求められる支給要件は異なるため、詳しくは助成金の種類ごとに確認をしていく必要があります。

3-2. 助成金の申請は社会保険労務士に任せる

助成金を受給できる基本要件を満たしていると思われたら、どの助成金を申請するか、どのように申請を行うかを具体的に検討していきましょう。

個別の助成金によって細かい条件や申請のルールがあり、分かりにくいため、申請作業は非常に複雑で難しいように見えます。

この段階で「難しいから無理そう」と感じて諦めてしまう歯科医院もあるのですが、実は簡単に助成金を申請することができます。

助成金は「雇用」や「職場環境」といった分野の取り組みに対して支給されるため、この分野の専門家である「社会保険労務士」に相談することで、スムーズに申請作業を進めることができます。

例えば、「育児休業制度」導入に関する助成金を申請する際には、以下のような流れで社会保険労務士に申請をサポートしてもらうことが可能です。

  • 社会保険労務士に依頼して受給条件を確認してもらう
  • 申請に必要な書類を作成してもらう
  • 指示に合わせて対象者と面談をして指定の書類に書き残す
  • 社会保険労務の指示に合わせて対象者を休ませる
  • 申請してもらう

助成金には細かいルールや申請・受給に関する期限が設定されています、ルールの確認や細かい申請作業は「プロ」に任せて、「期限」を守って依頼すれば負担なく、助成金を獲得することが可能です。

3-3.社会保険労務士選びがポイント

助成金は「社会保険労務士」が専門の分野なのですが、社会保険労務士が得意とする雇用や労務に関する領域は非常に幅広いため、「助成金」申請を得意としている社会保険労務士と、積極的でなく知識も乏しい社会保険労務士が存在します。

そのため、労務顧問をお願いしている社会保険労務士の先生(事務所)がいるから安心だと思っていても、実はその先生(事務所)は、助成金の申請に積極的でなく、あまり詳しくない、場合によってはほとんど助成金受給を支援したことがない、ということもありますので、その点は注意が必要です。

その際は、「助成金が得意」「助成金申請に特化している」社会保険労務士の先生や社会保険労務士事務所に相談して申請をサポートしていただかないと、申請から受給までの流れをスムーズに進めることは難しいでしょう。

※助成金が得意な社会保険労務士のご紹介が必要な歯科医院様がありましたら、「まるごと事務長」でご紹介が可能ですので、お気軽にご相談ください。